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2026.10.21
コラム, 電気代削減, 施工について, 労働環境の改善, 暑さ対策, 施行事例, 省エネ

屋根改修と遮熱施工を同時に行う3つのメリット|遮熱で変わる電気代と働く環境 | 関西・遮熱で働く環境を快適にするクライマテック |

 

10秒でわかる結論

  • 結論:屋根改修は、遮熱施工を追加するのに最も有利なタイミングです。足場・工程・操業との調整を改修工事と共有できます。
  • 見落としがちな事実:屋根を新しくしても、金属屋根は夏の日射で表面50〜70℃程度(一般的な目安)まで熱くなります。改修で直るのは雨漏りで、暑さではありません。
  • 費用対効果の見方:回収期間は「遮熱の追加費用 ÷ 年間削減額」で考えます。回収後の削減額は、毎年の利益として積み上がります。
  • 省エネ以外の効果:暑さがやわらぐことで、働く人の定着や生産性にもよい影響が期待できます。
  • 塗装との違い:遮熱塗料は初期費用を抑えやすい一方、屋根そのものは新しくならず、汚れによる性能低下と塗り替えの費用が続きます。
  • 次の一歩:改修の見積もりを取る段階で、「遮熱あり/なし」の2パターンを並べて比較します。

真夏の駐車場で、買ったばかりの新車に乗り込み、シートベルトの金具に触れて思わず手を引っ込めた経験はありませんか。

新車でも10年乗った車でも、炎天下のダッシュボードの熱さはほとんど変わりません。「新しい」ことと「熱くない」ことは、まったく別の話です。

工場や倉庫の屋根も同じです。雨漏りや錆が目立ってきたので、思い切って屋根を新しくする。「これで夏も少しはマシになるだろう」と期待するのは自然なことです。

けれど、新しい金属屋根も、夏の日差しを浴びれば古い屋根と同じように熱くなります。

実は、屋根改修にはあまり知られていないもう一つの意味があります。「遮熱を最も効率よく追加できる、次にいつ来るかわからないタイミング」だということです。

屋根を新しくしても、工場の暑さが変わらない理由

建物に熱が入る経路は、大きく3つに分かれます。

熱の伝わり方 身近な例 主に対処する材料
伝導 熱いフライパンの取っ手 断熱材
対流 エアコンの風、暖まった空気の移動 断熱材・空調
輻射(放射) 日なたで肌がジリジリする感覚 遮熱材

※建物への熱移動に占める輻射熱の割合は大きいとされます。ただし方向や条件によって変動します。

夏の金属屋根は、日射を受けて表面が50〜70℃程度(一般的な目安)に達することがあります。熱くなった屋根の裏面からは、輻射熱が真下で働く人や設備に向けて降りそそぎます。

屋根材が新品でも、金属である限りこの仕組みは変わりません。断熱材と遮熱材の役割の違いは「断熱材と遮熱材の違い」で詳しく解説しています。

改修の方法として屋根塗装(遮熱塗料)を検討している場合は、後半の「遮熱塗料・屋根改修のみ・屋根改修+遮熱材、長い目で見たコストの違い」もあわせてご覧ください。

「改修=守りの出費」という思い込み

屋根改修の見積もりは、雨漏りを止めるための「守りの出費」と考えるのが普通です。必要な工事を必要な範囲で行う。これは正しい判断に思えますよね。

ただ、そのタイミングで遮熱を入れずに屋根を閉じてしまうと、これから先も毎年、同じ暑さと同じ冷房の電気代が続くことになります。暑さの原因は空気ではなく屋根にあります。だからこそ、屋根を触る工事のときが、暑さの原因に手を打てる数少ない機会なのです。

空調を増やす前に考えたいことは「エアコンやスポットクーラーを増やす前に」でまとめています。

屋根改修と遮熱施工を同時に行う3つのメリット

① 工事の「共通部分」をまとめられる

屋根の工事には、足場や高所作業の段取り、資材の搬入、養生、操業との調整、工期の確保といった共通の準備が必要です。遮熱施工を後から単独で行う場合は、これらを改めて用意しなければなりません。

改修と同時に行えば、こうした準備を1回で済ませられます。たとえば、既存屋根の上から新しい屋根をかぶせるカバー工法に、遮熱材の施工を組み込む「遮熱カバー工法」という選択肢があります。

※どこまで共通化できるか、どれだけ費用差が出るかは、建物や工法によって異なります。

② 費用回収を「追加分」で評価でき、回収後は利益が積み上がる

遮熱施工の費用は、回収期間を過ぎたら終わりではありません。回収が終わった後も、削減した電気代は毎年の利益として残り続けます。詳しくは次の章で説明します。

③ 働く環境が変わり、人が定着し、生産性が上がる

屋根からの輻射熱を抑えると、暑さ指数(WBGT)に関わる室内環境の改善が期待できます。職場の熱中症対策は2025年6月から事業者の義務として強化されており、作業環境そのものを見直す重要性は高まっています。

暑さの影響は、熱中症のリスクだけではありません。真夏の現場では集中力や作業のペースが落ちやすく、「夏がつらい職場」という印象は、採用や人の定着にも響きます。働く環境の改善は、離職を防ぎ、人が育つ職場づくりの土台にもなり得ます。

実際、後述のISOWA様の事例では、コスト削減にとどまらず、従業員の労働意欲や生産性の向上にもつながったとされています。

また、遮熱は夏だけの対策ではありません。冬に室内の熱が逃げにくくなる効果も期待できるため、冷房と暖房の両方が削減の対象になり得ます。さらに、空調設備の増設を検討していた場合、その計画自体を見直せる可能性もあります。

省エネの観点からは「工場の省エネ対策で見落とされがちな「遮熱」の力」も参考になります。

※労働環境に関する効果の現れ方は、職場の条件によって異なります。

費用対効果は「どこまでを投資と見るか」で変わる

遮熱施工の回収期間を考えるときは、どの費用を分母に置くかで結果が大きく変わります。

見方 分母(投資額) 考え方
A:改修全体で見る 屋根改修+遮熱施工の総額 改修費も含めて回収を考える
B:遮熱の追加分で見る 遮熱施工で増える費用のみ 改修はどのみち必要な支出と考える

雨漏り対策の改修は、遮熱をするかどうかに関係なく必要な工事です。「遮熱を入れるかどうか」の判断に関係するのは、遮熱によって増える費用だけです。

そのため、判断の物差しとしては見方Bが実態に近いといえます。分母が小さくなるので、回収期間も短く見えてきます。

回収年数(遮熱の追加分)= 遮熱施工の追加費用 ÷ 年間の削減額

年間の削減額 = 冷房電気代の削減 + 暖房費の削減
※空調設備の増設を回避できた場合は、その費用も比較材料に加える

さらに、大空間で空調を長時間使う建物や金属屋根の面積が広い建物など、削減額が大きい条件では、見方Aでも改修全体の回収期間が大きく縮まる可能性があります。

本記事では具体的な金額や年数は示しません。屋根面積、屋根材、空調設備、稼働時間、電気料金の単価などで結果が大きく変わるためです。試算には次の情報があると精度が上がります。

  • 屋根の面積・屋根材の種類
  • 空調設備の容量・台数・稼働時間
  • 月別の電気代(できれば1年分)
  • 改修工事の見積もり(遮熱あり/なしの2パターン)

回収した後こそ、遮熱の本当の価値が見えてくる

回収期間は「いつ元が取れるか」を示す数字です。ただ、遮熱施工の価値は、その先にあります。

回収後に積み上がる効果 = 年間の削減額 ×(使い続ける年数 − 回収年数)

回収が終わった翌年からは、削減した電気代がまるごと毎年の利益として残ります。設備投資の多くは時間とともに価値が目減りしますが、遮熱による削減は、建物を使い続けるかぎり毎年積み上がっていく性質のものです。

電気料金の単価が上がれば、同じ削減量でも削減額は大きくなります。

※削減額は建物の条件や電気料金の動向により異なります。

遮熱塗料・屋根改修のみ・屋根改修+遮熱材、長い目で見たコストの違い

屋根の老朽化や暑さに悩んだとき、選択肢は大きく3つあります。遮熱塗料による塗装、屋根改修のみ、そして屋根改修と遮熱材の組み合わせです。それぞれに利点があり、どれを選ぶかは建物の状態と目的によって変わります。

ただし、初期費用だけで比べると見落としやすい点があります。

比較の観点 遮熱塗料による塗装 屋根改修のみ 屋根改修+遮熱材
初期費用 抑えやすい 改修費がかかる 改修費+遮熱の追加費用
屋根そのもの 新しくならない(劣化した下地はそのまま) 新しくなる 新しくなる
暑さへの効果 屋根の表面で日射(近赤外線)を反射 期待しにくい(新しい金属屋根も夏は熱くなる) 屋根からの輻射熱(遠赤外線)を抑える
性能の持続 表面の汚れで反射しにくくなる ― 屋根の内側に施工するため、表面の汚れの影響を受けにくい
将来の費用 定期的な塗り替えが必要 冷房の電気代はこれまでどおり続く 塗り替えを前提とせず、削減した電気代が毎年積み上がる

遮熱塗料は屋根の表面で日射を反射するため、ほこりや排気ガスなどで表面が汚れると反射する力が落ちていきます。性能を保つには塗り替えが必要で、そのたびに費用がかかります。また、塗装では錆や下地の劣化といった屋根そのものの問題は解決しません。

屋根改修のみの場合、雨漏りや劣化の問題は解決します。ただし、冒頭でお伝えしたとおり、新しい金属屋根も夏は古い屋根と同じように熱くなります。暑さと冷房の電気代は改修前とほとんど変わらず、この先も毎年同じ負担が続くことになります。

屋根改修+遮熱材は、初期費用が最もかかる選択肢です。その一方で、屋根の劣化と暑さを一度に解決でき、遮熱による削減額は回収後も毎年の利益として積み上がっていきます。

初期費用だけでなく、塗り替えや電気代を含めた10年、20年のトータルで比べると、判断が変わることがあります。屋根の劣化が進んでいて改修が必要な時期なら、なおさらです。

詳しくは「遮熱塗料が届く熱、届かない熱」「遮熱塗料と遮熱材の違いとは?」をご覧ください。

※塗料の種類や環境によって、汚れ方や塗り替えの時期は異なります。効果や費用は建物の条件により異なります。

事例|屋根の修繕と暑さ対策を同時に解決した株式会社ISOWA様

段ボール生産機械メーカーの株式会社ISOWA様は、まさに「屋根の修繕」と「暑さ対策」を同時に抱えていました。

項目 内容
課題 夏場の工場内が40℃超。既設200kWのエアコンではほとんど効果がなかった
検討していたこと エアコン増設。ただし老朽屋根の修繕費、増設の見積もり、年間の電気代増加がコスト面の課題に
ご提案 リフレクティックスを使った遮熱カバー工法。エアコン増設に比べ導入費用を約半分に抑えられ、生産ラインを稼働したまま施工できる
施工面積 屋根5,000㎡、壁2,000㎡
結果 導入前に必要とされた冷房負荷(設備容量)1,815kWに対し、既設200kWのエアコンで快適な環境を維持
測定 お盆休みのエアコン停止中、スレート屋根のままの状態と比べて室内温度が最大約8℃低い

工場の修繕、暑さ寒さ対策、電力・灯油使用量の削減、熱中症対策を一度に実現し、従業員の労働意欲や生産性の向上にもつながりました。翌年には別工場で第二期工事を実施し、大阪営業所や事務所棟にも採用いただいています。

※効果は建物の条件により異なります。詳細は「株式会社ISOWA様の導入事例」をご覧ください。

冷凍冷蔵倉庫なら「断熱+遮熱」で冷気を守る

冷凍冷蔵倉庫では、断熱材がすでに使われているのが一般的です。断熱材は伝導・対流による熱の移動を抑え、遮熱材は輻射熱を跳ね返します。役割が異なるので、どちらかを選ぶのではなく組み合わせることで効果が高まります。

屋根からの熱の侵入を抑えれば、低温を保ちやすくなり、冷凍機の負担や電気代の削減につながります。屋根を開ける改修のタイミングは、断熱材の状態を確認し、断熱と遮熱を一緒に見直す機会にもなります。

冷凍冷蔵輸送の京豊運輸が、「改修のタイミング」をお伝えしたい理由

私たち京豊運輸は、冷凍冷蔵食品を専門に運ぶ運送会社です。遮熱事業の始まりも、荷下ろし後に屋外で一時保管される冷凍パレットを熱から守るカバーを作れないか、という現場の悩みからでした。

電気代をかけて商品の品質を守っている事業者の方々や、炎天下の物流・製造現場で働く方々の苦労は、私たち自身の日常でもあります。

屋根改修は、何年かに一度の大きな決断です。工事が終わってから「あのとき一緒にやっておけば」と思っていただきたくない。材料を売ることではなく、同じ現場を知る者として、その判断材料をお渡しすることが私たちの役目だと考えています。

よくある質問

Q1. 屋根改修の予定がなくても、遮熱施工はできますか?

A. できます。ただし本記事で紹介したように、改修と同時に行うと工程を共有できるため、費用対効果の面で有利になりやすくなります。改修の時期が近い場合は、計画の段階でご相談ください。

Q2. 遮熱施工の費用は何年で回収できますか?

A. 建物の条件(屋根面積、空調設備、稼働時間、電気料金単価など)で大きく変わるため、一律にはお答えできません。「遮熱の追加費用 ÷ 年間の削減額」で考えるのが基本です。現地調査と電気代のデータをもとに試算します。

Q3. 工場を止めずに施工できますか?

A. 工法や現場の条件によります。ISOWA様の事例では、遮熱カバー工法で生産ラインを稼働したまま施工しました。施工の進め方は「施工の流れ」をご覧ください。

Q4. 冷凍冷蔵倉庫で、すでに断熱材があっても効果はありますか?

A. 断熱材と遮熱材は対処する熱の種類が異なるため、併用で相乗効果が期待できます。既存の断熱材を活かしたまま、輻射熱への対策を加える考え方です。

まとめ|屋根を改修するその時が、遮熱を入れる最善のタイミング

  • 屋根を新しくしても、金属屋根の夏の熱さは変わらない
  • 改修と同時なら、足場や工程などの準備を共有できる
  • 回収期間は「遮熱の追加分」で見ると判断しやすく、回収後は利益が毎年積み上がる
  • 暑さがやわらぐことで、人の定着や生産性にもよい影響が期待できる
  • 遮熱塗料は初期費用を抑えやすいが、塗り替えを含めたトータルコストで比べたい

屋根改修の見積もりを取るときは、「遮熱あり/なし」の2パターンを並べてみてください。

輻射熱をカットした空間がどれほど違うのか、体で確かめられる体感モデルルームの見学も無料で受け付けています。改修計画や試算のご相談はお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。

出典・注記

  • 事例の数値・内容は、株式会社ISOWA様の導入事例ページの記載に基づきます(2026年10月17日参照)。
  • 屋根表面温度(50〜70℃)は一般的な目安で、天候・屋根材・色・方角などで変動します。
  • 反射率99%はリフレクティックスのカタログ値です。
  • 遮熱施工の効果・削減額・回収期間、労働環境への効果は建物や職場の条件により異なり、効果を保証するものではありません。
  • 遮熱塗料の汚れ方や塗り替えの時期は、塗料の種類や設置環境によって異なります。
  • 職場の熱中症対策の義務化(2025年6月施行)については、厚生労働省の公表情報をご確認ください。制度内容は今後変わる可能性があります。
  • 暑さ指数(WBGT)については、環境省 熱中症予防情報サイトをご参照ください。
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